作成したGemをスキルにしてみた

2026年10月31日 · @Tsuneyuki Miura

はじめに:Gemは「スキル」に移行します

前回作った校内FAQのGemを、Geminiの新機能「スキル(Skills)」に作り直してみました。GoogleはGemを段階的に廃止し、スキルへ移行する方針です。

教育機関向けの移行はもう少し先ですが、教育版のGeminiでもすでにスキルを作れます。急に使えなくなって慷てる前に、一度試しておくと安心です。

「前回の記事」はこちら:(https://www.tsuneoblog.com/post-131/)

移行スケジュール

教育機関向けのGoogle Workspaceは、2027年6月1日以降に移行します。個人アカウントより半年以上あとです。

アカウントの種類移行・終了の時期
個人のGoogleアカウント(@gmail.comなど)2026年11月から順次
Google Workspace(ビジネス・Enterprise・非営利)2027年3月1日以降
Google Workspace(教育機関向け)2027年6月1日以降

個人アカウントのGemマネージャーには「2026年11月17日に自動移行が始まる」という案内が出ているそうです(出典)。学校では、新年度が始まって少したった頃に切り替わる計算です。

スキルの3つの作り方

Geminiの設定メニューから「スキル」を開くと、作り方を次の3つから選べます。既存のGemを移すなら「アップロード」が入口になります。

作り方内容向いている人
Geminiで作成チャットでGeminiと対話しながら作る初めて作る人
手動で作成名前・説明・カスタム指示を自分で入力する指示文がすでにある人
アップロード(上矢印アイコン)SKILL.md(スキルの定義ファイル)を含むフォルダをアップロードするGemから移行する人、同じスキルを配りたい人

Gemと大きく違うのは「説明(description)」の役割です。説明は人間向けのメモではなく、Geminiが「このスキルをいつ使うか」を判断するための文章です。チャット欄で「@」を入力して、自分で呼び出すこともできます。

前回のGemをスキルにする

前回の指示文はそのまま使えます。新しく書く必要があるのは、「いつ使うか」を伝える説明文だけです。

  1. 「ICT相談窓口」などの名前のフォルダを作る
  2. その中に「SKILL.md」というテキストファイルを作り、下の内容を貼り付ける
  3. Geminiの設定→「スキル」→上矢印アイコンから、フォルダをアップロードする
  4. 新しいチャットで「電子黒板に画面が映らない」と入力して、スキルが自動で使われるか確かめる

SKILL.mdのサンプルです。上の---で囲んだ部分が名前と説明、その下がカスタム指示です。

---
name: ICT相談窓口
description: 小学校の先生から、端末・Wi-Fi・アカウント・Classroom・電子黒板など校内ICTのトラブルや操作について質問されたときに使う。校内のFAQにもとづいて手順を案内する。
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あなたは「さくら小学校」の先生向けICT相談窓口です。

# 答え方
- まず「どの端末で、何が起きているか」を確認してから答えます。
- 手順は番号付きで、1ステップずつ短く書きます。
- 授業中に読むことを想定し、結論を最初に書きます。

# 守ること
- 資料に書かれていないことは推測で答えず、ICT支援員または情報担当の先生への連絡を勧めてください。
- 管理者だけが行える作業(アカウントのリセットなど)は手順を案内せず、担当者へつないでください。
- 子どもの名前・ID・パスワードが入力されたら、入力しないよう優しく伝えてください。

※ ファイルの細かい書式は今後変わる可能性があります。一度「手動で作成」したスキルをダウンロードして、中身の形を確認しておくと確実です。

FAQ資料はGemini Notebookにまとめて読み込ませる

Gemでは「知識」欄にFAQのドキュメントを追加していました。スキルでは、FAQをGemini Notebookにまとめ、指示文の中で「このノートを読む」と指定できます。

Geminiに「@Gemini Notebook」コマンドが加わり、チャットやスキルからノートを呼び出せるようになりました(出典)。

  1. Gemini Notebookで「ICTよくある質問」というノートを作り、前回のFAQ資料を入れる
  2. SKILL.mdの指示文に、読み込むノートを書き加える
  3. スキルを更新し、資料にある質問とない質問の両方で試す

指示文に追加する例です。

# 参照する資料
- 回答の前に必ず @Gemini Notebook の「ICTよくある質問」ノートを読み、その内容にもとづいて答えてください。
- ノートにない内容は「資料にはありません」と伝えてください。

この方法なら、FAQを更新するときはノートを直すだけで済みます。スキル自体を作り直す必要はありません。

学校で移行するときの注意点

  • 説明文は具体的に書く:スキルは質問の内容を見て自動で使われます。説明があいまいだと、関係のない質問でも起動したり、逆に起動しなかったりします
  • 先生への共有方法を確かめる:前回はClassroomでGemを配りました。スキルでも同じように配れるかは、移行前に確認が必要です(配れない場合は、SKILL.mdのフォルダを共有して各自でアップロードしてもらう方法もあります)
  • 管理者設定を確認する:スキルやGemini Notebookが使えるかどうかは、教育委員会の設定で決まります
  • 移行は年度内に済ませる:4月は異動や端末の更新で忙しい時期です。2027年6月を待たず、試せるようになったら早めに移しておくと安心です
  • 元のGemはしばらく残す:スキルで同じように答えられるか比べてから切り替える

まとめ

Gemをスキルにするのに必要な作業は、主に次の3つです。

  1. 指示文はそのまま使い、「いつ使うか」を伝える説明文を足す
  2. SKILL.mdにしてアップロードする
  3. FAQ資料はGemini Notebookにまとめ、指示文から呼び出す

SKILL.mdは1つのテキストファイルなので、他の学校のICT支援員とも共有しやすくなります。学校名や連絡先を書き換えるだけで、別の学校でも使えます。

参考

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Posted by mtune